「最近売り上げも伸びてきたけど、そろそろ法人化した方がいいのかな…?」
「でも、会社にすると何が変わるのかよくわからない…」
個人事業主として頑張ってきたあなたにとって、「法人化」は一つの大きな節目です。
ただ、いつ法人化するのがベストか、というのは人によって正解が異なります。
そこで今回は、法人化のタイミングを判断するためのヒントや基準を、行政書士の立場から解説していきます。
1 法人かって、そもそもどういうこと?
まず、「法人化」とは、個人事業を会社という形に切り替えることです。
会社にはいくつか種類がありますが、よく使われるのは「株式会社」や「合同会社」です。
つまり、あなた個人が事業主だったものを、法律上は「会社」という別の人格を代えるイメージです。
法人化によって、取引や税金、社会的な信用に変化が生まれます。
2 法人化するメリット、デメリットを整理しよう
法人化のタイミングを考えるうえで、メリットとデメリットのバランスを理解することが重要です。
【主なメリット】
・節税の選択肢が広がる(所得が高いほど効果大)
・社会的な信用が増す(取引先や金融機関からの信頼)
・経費にできる範囲が広がる(社宅や出張手当など)
・補助金、融資が受けやすくなる
・事業の承継や拡大がしやすくなる
【主なデメリット】
・法人設立や維持にコストがかかる
・社会保険への加入が義務になる(従業員がいれば)
・事務手続きがやや増える(決算、登記など)
3 タイミングを決める「5つの目安」
では、具体的にどんなときに法人化を考えるべきなのでしょうか?
ここでは、判断しやすい5つの基準を紹介します。
①年間の利益(所得)が500万円を超えてきたとき
所得税(法人税)の税率は、個人だと最高45%、法人は約23.2%で頭打ち。
利益が多きくなるほど、法人の方が税負担が軽くなる可能性が高いです。
実際、「利益500~700万円くらい」が法人化の目安とされることが多いです。
②新たに従業員を雇おうとしているとき
人を雇って給与を払うなら、社会保険の加入義務があります。
個人でも加入義務はあります(常時5人以上の場合)が、法人の方が手続きがスムーズで助成金も利用しやすくなります。
将来的に複数人で動かす予定なら、法人化を検討する価値があります。
③大口の取引が増えてきたとき
法人じゃないと契約してくれない企業もあります。
特にBtoB(法人間取引)の場合、「信用が大事」なので、法人化しておくとスムーズに進みます。
見積書や請求書に「○○株式会社」や「○○合同会社」と記載されることで、相手の印象も変わってきます。
④補助金や融資を活用したいとき
個人事業主も対象の制度はありますが、法人の方が優遇されているケースが多数。
また、会社名義の口座や事業計画書を整えることで、金融機関からの信用度もアップします。
融資を受けて設備投資したい、事業を広げたいという人には法人化がプラスに働くことも多いです。
⑤事業の将来像が明確になってきたとき
「このまま副業感覚ではなく、もっと本格的に伸ばしたい」
「事業承継も考えながら動いていきたい」
そんな時こそ法人化の好機です。
法人化しておくことで、事業を第三者に引き継ぎやすくなったり、家族で経営を継いでいく道が見えてきます。
4 タイミングを逃すとどうなる?
法人化は「いつでもできる」と思われがちですが、実は準備が必要で手続きにも時間がかかります。
例えば、売上が急激に伸びてからでは、税金の準備が間に合わないことも。
また、年度途中で法人化すると、個人と法人で二重に帳簿をつける必要が出てくるなど、煩雑になりがちです。
つまり、余裕のあるうちに準備を始めるのがベストです。
5 法人化の準備は行政書士にお任せ下さい
法人化は、単に会社を作るだけではありません。
定款作成、登記手続き、必要な許可・届出、設立後のアドバイスまで含めて、トータルで準備することが重要です。
行政書士は、その設立の第一歩をしっかり支援する専門家です。
当事務所では、
・合同会社、株式会社どちらが向いているかのご相談
・電子定款の作成(印紙代が不要になります)
・補助金、助成金の制度案内
・税理士、社労士との連携による法人運営のサポート
など、あなたの事業ステージに合わせたアドバイスが可能です。
6 法人化は「戦略」として考えよう
個人事業主から法人化するタイミングは、利益・取引・人材・信用・将来像のバランスで決まります。
「法人化=成長の証」とも言えますが、早すぎても遅すぎても損をすることも。
だからこそ、今の状況と今後の計画をじっくり整理して判断することが大切です。
不安な方は、まずは相談だけでも構いません。
あなたの「次の一歩」を、一緒に考えていきましょう。
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