「法人化を考えているけど、設立手続きって自分でできるの?」
「それともやっぱり専門家に頼んだ方がいいのかな?
事業が軌道に乗ってきた個人事業主にとって、「法人化」は次のステップ。
とはいえ、会社を作る手続きは、普段の業務とは勝手が違うものです。
自分でやって費用を押さえたい気持ちもあるし、手続きミスが不安な気持ちもある…。
このブログでは、「会社設立を自分でやる方法」と「専門家に依頼する方法」の違い、メリット、デメリットを分かりやすく解説します。
1 そもそも会社設立って何をやるの?
まず「会社設立」とは、法務局に登記(とうき)して法人としての形を整えることです。
そのためには、いくつもの書類を準備し、正しい順序で手続きを進める必要があります
主な流れは、次のとおりです。
①商号(会社名)や本店所在地の決定
②定款(ていかん)の作成と認証(株式会社のみ)
③資本金の払い込み
④設立登記書類の作成、提出(法務局へ)
⑤税務署や年金事務所などへの届出
このうち、特に定款の作成や登記申請書類の作成は、法的な要件が厳しく、ミスをすると受理されません。
2 自分でやる場合の特徴と注意点
【メリット】
・費用が抑えられる(専門家報酬が不要)
・手続きを一通り経験できる
【デメリット】
・書類作成のミスが起きやすい(却下、再提出になることも)
・電子定款に対応できず、印紙代4万円が余計にかかる場合も
・登記完了までにかかる時間が読みにくい
例えば、「定款の目的欄に不適切な表現があって修正を求められる」「資本金の払込証明が不完全だった」など、初心者がつまずきやすいポイントは多くあります。
3 専門家に任せる場合の特徴とポイント
行政書士や司法書士に依頼すれば、
定款の作成、電子定款の認証、登記書類の作成などをまるごと任せることができます。
【メリット】
・書類ミスの心配がない
・電子定款により印紙税4万円が不要になる
・事業計画や補助金、融資に関する相談も可能
・設立後の届出や顧問契約につなげやすい
【デメリット】
・報酬が発生する(5~10万円前後)
・内容によっては司法書士との連携が必要(登記申請部分)
設立後の経営相談や許認可取得を見据えるなら、最初から信頼できる専門家をパートナーとして持つのは大きな安心になります。
4 自分でやるか、専門家に頼むか。判断の基準は?
次の表に、判断の目安をまとめました。
判断軸 | 自分でやるべき人 | 専門家に任せるべき人 |
---|---|---|
費用を抑えたい | ○ | × |
時間を節約したい | × | ○ |
書類作成に自信がある | ○ | × |
書類ミスでやり直したくない | × | ○ |
電子定款で印紙代を節約したい | × (難易度高) | ○ |
融資・補助金も視野に入れている | × | ○ |
設立後も専門家とつながりたい | × | ○ |
「一度やってみたい」「勉強がてら挑戦したい」という方は、自力設立もいい経験です。
一方で、事業をすぐに軌道に乗せたい方、確実に進めたい方は専門家のサポートを検討してみましょう。
5 行政書士に頼むときにできること、できないこと
行政書士は、設立に関して次のような支援ができます。
・定款の作成、電子定款対応(印紙代0円)
・各種必要書類の作成(就任承諾書、払込証明書など)
・設立後の税務署、年金事務所への届出書類作成
・補助金や融資申請のアドバイス
・許認可申請の代行(飲食店、建設業など)
ただし、「登記申請そのもの」は司法書士の業務です。
登記申請を含むフルサポートを希望する場合は、行政書士と司法書士が連携して対応している事務所を選ぶと安心です。
6 あなたの状況にあわせてベストな選択を
「法人化=自分でやらなければ損」とも、「全部プロに任せなければ危ない」とも言い切れません。
大切なのは、あなたの目的・スケジュール・得意不得意に合わせた選択です。
・時間も手間もかけられる → 自分で挑戦してみる
・時間を有効に使いたい → 専門家に依頼する
・補助金、融資も活用したい → 初めから専門家に相談して土台づくりから進める
会社設立は、あなたの事業を次のステージへ引き上げる大事な一歩。
「設立して終わり」ではなく、「設立してからがスタート」です。
不安があるなら、まずは行政書士に相談だけしてみるのも良い選択です。
費用、手続きの流れ、今後の事業の見通しを一緒に整理し、納得のいく法人化を進めましょう。
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