相続って、いったい何から始めればいいの?
ご家族が亡くなられた時、ふいに訪れる「相続」の問題。
「兄弟が多くて、話し合いがまとまるか心配…」
「何をすればいいのか、手続きが多すぎて頭が混乱している…」
「専門家に相談すべきなのかもわからない…」
相続は、そう何度も経験するものではありません。
だからこそ、「何を、いつまでに、誰がすべきか」分からずに不安になる方が多いのです。
この記事では、遺言書がない場合における相続の基本的な流れと、兄弟間のトラブルを防ぐポイントを、行政書士の視点から解説していきます。
1 相続の全体像を把握しよう
相続の流れは、ざっくり分けて次の7つのステップに整理できます。慌てずに一歩ずつ確認しましょう。
①死亡届の提出と葬儀
②相続人の調査(誰が相続人かを確定)
③相続財産の調査(預金、不動産、借金など)
④相続方法の選択(単純承認、限定承認、放棄)
⑤遺産分割協議(相続人全員の合意が必要)
⑥名義変更手続き(不動産、預金、車など)
⑦税務手続き(必要があれば相続税申告)
この中で、遺言書がない場合に特に重要なのが「遺産分割協議」です。
相続人全員が話し合って、誰が何を相続するか決めなければなりません。
2 「相続人」とは誰のこと?
相続人の範囲は、法律で決まっています。まずは、自分が「相続人」なのか、誰と一緒に話し合う必要があるのかを確認しましょう。
相続人とは、亡くなった方(被相続人)の財産や義務を引き継ぐ権利がある人のことです。
民法では、以下のような優先順位があります。
《テーブル形式で》
順位
第1順位 子ども(代わりに孫も)
第2順位 両親(または祖父母)
第3順位 兄弟姉妹(代わりに甥や姪も)
※配偶者は、常に相続人になります。
たとえば、配偶者と3人兄弟がいる場合、「配偶者」と「3人兄弟」が相続人になります。
つまり、4人全員の合意がないと遺産分割ができません。
3 遺産分割協議で揉めないためのポイント
「誰が何を相続するか」は、全員の話し合いで決める必要があります。これを「遺産分割協議」といいます。
遺産分割協議は、相続人全員で、財産をどう分けるかを話し合うことをいいます。
決め方の基準は、
・全員の合意が必要(1人でも合意しないと無効)
・書面にして「遺産分割協議書」を作成する
・不動産登記や金融金の手続きに必要となる
揉めやすいケースとして
・実家の土地を誰が相続するかで対立
・一部の兄弟だけが先に現金を引き出してしまう
・介護をしていた人と、していなかった人との温度差
こんな時こそ、第三者である行政書士のサポートが有効です。
中立の立場で、手続きを整理し、円滑な協議を後押しできます。
4 相続放棄や期限がある手続きも!
「相続する」と決めたつもりが、実は借金も引き継いでいた…というケースも。
重要なのは、早めの判断と期限の確認です。
「相続放棄」とは、被相続人の借金などを引き継ぎたくない場合、家庭裁判所に申述して「相続しない」とする制度です。
「相続放棄」は、相続の開始を知った日から3カ月以内です。
※この3か月の間に、通帳を使ったり、遺産を処分すると「相続を承認した」とみなされることもあるので、特に注意が必要です。
5 名義変更と登記を忘れずに!
遺産分割がまとまったら、「名義変更」の手続きを行います。特に不動産の登記は義務化されています。
「相続登記の義務化」とは、2024年4月1日から、不動産を相続した場合、相続を知ってから3年以内に登記しなければならないと法律で定められました。
違反すると、10万円以下の過料(罰金)が科される可能性もあります。行政書士は、登記に必要な書類作成をサポートできます。
6 困ったら早めに専門家へ
相続は「家族の話し合い」が大前提ですが、感情のもつれや誤解でトラブルに発展しがちです。
しかも、手続きには期限や専門的な知識が必要な場面も多くあります。
だからこそ、「最初に何から始めればいいのか」を知っておくことがとても大切です。
行政書士は、
・相続人の調査
・遺産分割協議書の作成
・相続放棄のサポート
・名義変更の書類作成
など、実際の手続きの多くをお手伝いできます。
「兄弟で揉めそう…」「そろそろ親のことが心配」
そんな時は、是非お気軽にご相談ください。
相続は、事前の知識と準備がカギです。
後悔しないために、「今」一歩を踏み出しましょう。
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