こんな不安、ありませんか?

 「将来、認知症になったらどうしよう」
 「頼れる家族もいないし、死後の手続きも不安」
 「『後見契約』って聞いたけど、それだけで本当に安心なの?」

 こうしたご相談を、終活を考え始めた方からよく受けます。
 特に、子供がいないご夫婦や、一人暮らしの高齢者にとっては、老後の備えは「今から」がとても大切です。

 実は、「任意後見契約」だけでは不十分なケースも少なくありません。
 「見守り契約」「死後事務委任契約」と組み合わせてこそ、老後から死後までを切れ目なくサポートできるのです。

 この記事では、それぞれの契約の役割を分かりやすく解説しながら、「なぜセットで考えるべきなのか?」を具体的にご紹介します。

1 任意後見契約って何?その限界とは?

 「任意後見契約(にんいこうけんけいやく)」とは、将来、認知症などで判断力がなくなった時のために、あらかじめ信頼できる人と支援契約を結ぶ制度です。

 契約は公正証書で作成し、実際に判断能力が低下した後に、家庭裁判所で「任意後見監督人」が選ばれると発効します。

 つまり、契約したからといってすぐに効力があるわけではありません。
 ここが大きなポイントです。

 任意後見契約には、次のような「限界」があります。

限界点内容
効力が発生するのは「判断能力が低下してから」元気なうちは使えない
死亡したら契約は終了死後の手続きは対応不可
契約前の見守りや相談は対象外発効前の生活支援は別契約が必要

 「まだ元気なうちは手伝ってくれないの?」
 「亡くなった後のことは誰がやるの?」
 --こうした場面では、任意後見契約だけではカバーできないのです。

2 見守り契約が「任意後見につなぐ橋」になる

 「見守り契約」は、まだ元気なうちから、定期的な訪問や電話などで様子を確認する契約です。
 任意後見契約と併せて結ぶことで、将来的に後見をスムーズに開始する準備にもなります。

 例えば、
・月1回の電話や訪問で安否確認
・生活に変化があれば、任意後見監督人の選任を申立て
・契約者の希望や体調を日々把握し、家族代わりに見守る

 このように、「発効前のサポート役」として非常に重要です。

 特に一人暮らしの方や、近くに頼れる家族がいない方には、大きな安心になります。

3 死後の心配には「死後事務委任契約」

 任意後見契約は、本人が亡くなると効力が失われます。
 そのため、次のような死後の手続きは対象外です。
・死亡届の提出
・火葬や葬儀の手配
・賃貸住宅の明け渡し
・公共料金や携帯電話の解約
・病院や介護施設への支払い

 これらを任せるには、「死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)」が必要です。
 この契約を結んでおくことで、信頼できる人に死後の事務手続きを任せることができます。

 身寄りのない方でも契約可能で、葬儀や納骨の希望も事前に伝えておけるため、「亡くなった後に迷惑をかけたくない」という思いを形にできます。

4 3つの契約をセットで考えるメリット

 それぞれの契約の役割を比較してみましょう。

契約名主な内容使える時期
見守り契約安否確認・定期連絡元気なうちから
任意後見契約判断能力が低下した後の支援認知症発症後など
死後事務委任契約死後の手続き・火葬・解約など死亡後

 このように、3つを組み合わせることで、「今」から「もしもの時」、そして「死後」まで、すべてを備えることができるのです。

5 気になる費用は?

 一例として、費用感の目安を下記にまとめます(実際は依頼する専門家によって異なります)。

契約名初期費用目安継続費用(必要に応じて)
見守り契約約1〜3万円月5,000〜10,000円程度
任意後見契約約2万円(公証役場)+報酬後見発効後は監督人の報酬など
死後事務委任契約約1〜3万円(公証役場)+報酬実費として火葬や解約費用など

 ご自身の予算や希望に合わせて、契約内容を調整できます。
 行政書士にご相談いただければ、必要な部分だけをカスタマイズして設計することも可能です。

6 「備えはセット」で考えるのが安心への第一歩

 「後見契約をしておけば安心」
 --確かにそうかもしれません。ですが、実際にはそれだけではカバーできない範囲もあります。
・元気なうちに支援が必要になったら?(→見守り契約)
・死後の手続きは誰がやる?(→死後事務委任契約)
・そもそも、判断力を失う前の準備はできている?

 このように考えると、3つの契約はそれぞれ別々ではなく、「つながって」支援体制を整える役割を持っています。

 行政書士は、これらの契約を一人ひとりの希望に合わせて丁寧にサポートします。

 難しい手続きも、分かりやすくご説明しながら進められますのでご安心ください。

 「子供がいない」「家族に迷惑をかけたくない」「自分らしい最後を準備しておきたい」
 そんな思いをお持ちなら、どうぞお気軽にご相談ください。

 「あなたらしく生きるための備え」、一緒に考えてみませんか?

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行政書士下西照美事務所