飲食店の営業許可は、一度取れば終わりではありません。
 許可には有効期限があり、更新手続きが必要です。

 期限を過ぎたまま営業してしまうと、法律違反となり、営業停止や罰則の対象になる可能性もあります。

 このブログでは、営業許可の「更新」について、必要な手続きや期限管理のポイントを、わかりやすく解説します。

1 営業許可には「有効期限」がある

 飲食店を営業するには、「飲食店営業許可」が必要です。
 この許可には、原則として5年間の有効期限が定められています。

 つまり、営業を続ける場合は、5年ごとに更新手続きが必要になります。

2 更新に必要な手続きと流れ

 更新は、現在の許可が切れる前に行う必要があります。
 具体的な流れは次のとおりです。

手続き内容概要
申請時期有効期限の1か月前までに手続きを行う
提出先店舗所在地を管轄する保健所
主な書類営業許可申請書、営業許可証の写し、施設の図面など
手数料地域によって異なる(例:16,000円前後)
調査必要に応じて、保健所による施設の実地確認あり

 ※提出書類や手数料の金額、訪問調査の有無は自治体によって異なります。事前に保健所に確認しておきましょう。

3 更新時に確認されるポイント

 更新にあたって、保健所は店舗の衛生状況などを再度確認します。
 これは、営業開始時と同様に、施設が現在の基準にあっているかどうかを確認するためです。

チェックされる主な項目内容
衛生状態清掃状況、害虫の発生状況、手洗い設備の使用状況など
設備の状態冷蔵庫、シンク、換気扇などが正常に使えるか
衛生管理計画HACCPに基づいた衛生管理の記録が行われているか

 必要に応じて改善の指導を受けることもあるため、日頃からの衛生管理が大切です。

4 更新を忘れた場合のリスク

 もし、有効期限を過ぎてしまったら…その時点で「無許可営業」とみなされます。

 無許可営業は食品衛生法違反となり、以下のようなリスクがあります。
・2年以下の拘禁刑または200万以下の罰金
・行政処分(許可の取消し、営業の禁止・停止など)
・保健所からの指導や命令
・信用低下や営業損失

 さらに、新規申請からやり直す必要があるケースもあります。

5 期限管理のコツ

 更新手続きは5年に1度のため、つい忘れてしまいがちです。
 しかし、「知らなかった」では済まされません。

 おすすめの管理方法として、次のような工夫があります。
・許可証に記載された有効期限をカレンダーやスマホに登録
・更新予定月を店舗の管理帳簿や事務カレンダーに記載
・忙しい月を避け、早めに準備を開始する

 ※自治体によっては、「更新案内ハガキ」が送付されますが、基本は「自身での期限管理」が大前提です。

6 手続きに不安がある場合は

 更新申請は、基本的にはご自身でもできますが、以下のようなケースでは行政書士に相談される方も多いです。
・書類の記載方法がわからない
・図面の修正が必要になった
・営業許可証を紛失してしまった
・衛生管理計画の記録の付け方が不安

 行政書士は、保健所とのやりとりも含めてサポートできる専門家です。
 一人で悩まず、気軽に相談してみましょう。

7 まとめ

 飲食店営業許可には、有効期限があります。
 営業を続けるためには、5年ごとの更新が必要です。

 更新手続きを忘れると、無許可営業と判断されるおそれがあり、営業に大きな支障をきたします。
 手続き自体は難しくありませんが、期限管理と早めの準備が何より大切です。

 不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談しながら、確実に手続きを進めましょう。

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行政書士下西照美事務所