不動産業を始めようと思ったとき、
 まず必要なのが「宅建業免許(正式には『宅地建物取引業の免許』)」です。

 ただ、多くの方が最初にぶつかるのが、
 「申請してからどれくらいで許可が下りるの?」
 「すぐに仕事を始めたいけど、間に合うのかな?」という悩み。

 とくに、事務所や人員の準備が整ってから
 「よし、申請しよう!」と考える方が多いため、思ったより時間がかかって焦るケースも少なくありません。

 この記事では、宅建業免許(都道府県知事免許)の申請から許可までにかかる期間や、なるべく早く許可をもらうためのポイントをやさしく、わかりやすく解説します!

1 申請から許可までは約30~45日。早くても1か月はかかる!

 《ポイント》
 ・申請してから許可が下りるまで、原則「30~45日程度」かかる
 ・「土日、祝日、年末年始」を除く「行政処理日数」でカウントされる
 ・書類に不備があると、さらに日数が伸びることも
 ・早く許可を取りたいなら、事前準備が9割
 では、この「30~45日」という期間がどう決まるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

2 宅建業免許って何?どこに申請するの?

 宅建業免許とは、不動産の売買や賃貸の仲介などを業として行うための許可です。
 正式には「宅地建物取引業の免許」と言います。

 申請先は以下のとおりです。
 ・1つの都道府県内で営業する場合
  →都道府県知事免許
 ・2つ以上の都道府県に事務所を置く場合
  →国土交通大臣免許

 ほとんどの方が、最初に取得するのは「都道府県知事免許」です。

3 申請から許可までの流れと期間の目安

 《ポイント》
 ・申請書の提出から許可が出るまでに「約30~45日」
 ・自治体によって処理スピードに差がある
 ・書類が完全に揃っていないと、受付すらしてもらえない

 (1)具体的な流れ
 ・必要書類の準備(ここが一番時間がかかる)
 ・申請書の提出(窓口での事前相談が必要な場合あり)
 ・審査(形式審査+実態調査)
 ・免許通知、免許証交付
 ・免許番号の取得後、営業保証金の供託または弁済業務保証金分担金の納付

 (2)具体例:鹿児島県のケース
  鹿児島県では、申請から許可まで約30~40日程度です。
  ただし、年末年始やGWなど行政機関が休業に入ると、50日以上かかる場合もあります。

4 「急ぎで許可が欲しい」場合の対策3選

 《ポイント》
 ・スピードのカギは「準備段階」にあり
 ・事務所の写真、宅建士の登録番号、誓約書類などを事前に揃える
 ・行政書士に依頼することで、時短&安心

 (1)必要書類を先にすべて揃えておく
 宅建免許の申請では、提出書類が20枚以上になること。

 例えば…
 ・宅建士の資格登録証コピー
 ・専任宅建士の雇用契約書
 ・使用権原を証明する書類(賃貸借契約書など)
 ・事務所の写真(外観、内部、看板)
 ・申請者や役員の略歴書、身分証明書、登記されていないことの証明書
  など

 (2)提出前に「事前相談」を受ける
 都道府県によっては、申請書提出前に「事前相談(ヒアリング)」が義務付けられていることもあります。
 これを飛ばして申請に行っても、その場で受け取ってもらえないケースも。
 そのため、ホームページなどで必ず確認を。

 (3)行政書士に依頼する
 「とにかく早く、確実に取りたい」という場合は、行政書士に申請代行を依頼するのが得策です。

 例えば、書類集めから内容確認、写真撮影のポイント指導、事前相談の同行まで、一括でサポートしてくれる専門家も多くいます。

 費用はおおよそ8万~15万円前後(別途、法定手数料として33,000円が必要)
 「自分でやるより確実」「ミスによる再申請のロスを防げる」などの利点があります。

5 免許が下りたらすぐ営業できるの?注意すべき点は?

 《ポイント》
 ・免許が下りても、供託または保証協会への加入手続きが必要
 ・これを忘れると「免許はあるけど営業できない」状態に

 (1)保証制度の手続き
 宅建業を営むには、「万が一の損害に備える制度」が義務付けられています。

 次の2つの方法のいずれかを選びます。
 ①営業保証金を供託する
  →本店1,000万円、支店500万円を法務局に預ける
 ②保証協会に加入する
  →保証協会を通じて弁済業務保証金分担金を納付
  →本店60万円、支店30万円で済むので、こちらを選ぶ方が大多数

 この手続きが完了し、「免許証番号入りの標識(いわゆる”看板”)」を掲示すれば、ようやく営業スタートです!

6 まとめ:宅建業免許のスケジュールは”逆算”がカギ

 最後にもう一度、ポイントを整理しましょう。
 ・申請から許可までは約30~45日
 ・書類不備、提出ミスでさらに延びる可能性あり
 ・急ぐなら、書類準備、事前相談、専門家の活用がカギ

 宅建業免許の申請は「タイミング」と「準備」がすべてです。

 「書類が多すぎてよくわからない」「できるだけ早く不動産業を始めたい」といった方は、お気軽にお問い合わせください。

 しっかり段取りをして、スムーズな不動産ビジネスのスタートを切りましょう!

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行政書士下西照美事務所